オウトツムゲツ*

【著作】佐々木譲
【出版】文藝春秋
【表題】廃墟に乞う

【内容】帯より抜粋
犯罪は、捜査員の心までも傷つける

13年前に札幌で起きた娼婦殺害事件と、同じ手口で風俗嬢が殺された。
心の痛手を癒すため休職中の仙道だが、
犯人に故郷である北海道の旧炭鉱町へ向かう。
犯人と捜査員、二人の傷ついた事ろが響き合う、そのとき……。
感激、感動の連作小説集。


短編が主人公の心の軌跡を紡ぐ、ある意味長編。
第142回直木賞です。
完全というよりも、無欠の表現が合う一冊ですね。もうただ読めばおｋ。
人物の感情に入りこむというより、箱庭の中での出来事をただ見つめているような。俯瞰的な。

奇抜なトリックがあるわけでもない。
仙道のPTSDの理由も、恐らく平凡（というと語弊があるかな）つまり奇抜ではない。
（ここをつまらなかったと言っている感想を見たけど、実際同じ経験をしたら少なからず怖いでしょう？？と思うのですが）

よくある不幸な生い立ちとか生活環境とか、そういったものが背景にある犯人が多くて、それを仙道が見つけたりもしくは死んでしまったりすることで彼の心の傷はなかなか癒えない、というのを繰り返してる。
繰り返しの理由は、センセーショナルな事件でなくたって人の心は傷つく、ということなのかな。
そこがこの作品の高評価の一因であることには間違いないとは思いますが。

最後の話「復帰する朝」は一番好きですね。
この事件の後に復帰するんだ、へえー。という。

恐らく、読み応えとしては「無い方」だと思います。
けれど佐々木作品でこの感じだから直木賞なのでしょう、きっと。
だから、奇抜なモノを読みたい人は他に行きなさいよ(笑



何かお勧めな本ないですかねえ。悪の教典読みたいんですけど、長そうだし高いしｗ
そうそう、[新装版]４６番目の密室（有栖川有栖著）のドラマCD版を、某女王様から頂いたので聞いてみました！
耳でミステリを理解するのはむつかしいですｗ　けど、良かったなあ。
キャストトークのテンションの低さに苦笑しましたけど(笑）あれえ、楽しくなかったのかなあｗ
音劇ミステリかあ…あ、そういやニコ動でもなんかやってますよね。ドＳ探偵。
乗り遅れてしまったのでまったく聞いてないんですけど、これって３Ｐ…げふげふ社長さんなんですね！素敵な企画です。聞いてないけど苦笑
ミステリなんて頭回らないので書けませんけどね！書いてみたいけど！(# ﾟДﾟ)ﾌﾟﾝｽｺ!!（嫉妬乙

話が逸れたなあ。えーっと、こういうのも面白いですね！っていうことです(笑
次回の読書感想文は全て未定でーす。そいでは。